歯周病治療

治療と予防から
歯周病にアプローチ

歯周病治療

歯周病は細菌の毒素が非常に強く、体内に侵入すると血流に乗って全身を巡り、全身のさまざまな病気のリスクを高めることが近年の研究から明らかになりました。
動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病、肺炎や骨粗しょう症などの原因になり、最悪の場合は命を失う恐れもあるのです。
当院では歯周病治療に加えて予防も重視し、歯周病に負けない健康なお口づくりをサポートしております。

歯周病とは

  • 歯周病の原因と仕組み

    歯周病の最も多い原因は、お口に溜まった「プラーク(歯垢)」です。磨き残しにより溜まったプラークの中で細菌が繁殖し、歯周組織に悪影響を及ぼします。歯周ポケットができるとさらに汚れが溜まりやすくなり、歯ぐきの炎症も進み悪化していきます。最悪の場合、歯を失うリスクもあるため、歯周病の改善には早期発見・早期治療が大切です。
    歯周病は悪化すればするほど、治療に必要な時間や費用が増えます。また、初期の歯周病は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行しやすい病気です。お口の違和感をそのままにせず、できるだけ早く当院にご相談ください。

  • 歯周病の進行度合い

    歯周病はおおよそ、4段階にわたって進行していきます。厄介なことに、初期の段階では痛みや腫れが感じにくいため、知らぬ間に進行していることがあります。歯科医院で診断を受け、それぞれの段階にあった治療を行っていけば、進行を抑えることができます。

    • 1.歯肉炎

      プラークで増殖した歯周病菌は歯と歯の隙間である歯肉で炎症をおこします。
      痛みはまだなく、歯磨きをしたときに軽い出血がある程度です。

    • 2.初期歯周炎

      歯の下にまで歯垢が溜まるようになり、歯周ポケットが徐々に形成されていきます。痛みはほとんど感じず、歯肉を触ると柔らかくなっていたりします。

    • 3.中等度歯周炎

      歯と歯ぐきの溝がさらに深まり、歯を支える骨が溶かされ歯がぐらつき始めます。痛みや腫れが顕著になり、口臭なども出始めます。

    • 4.重度歯周病

      歯を支える骨がほとんど溶かされ、ぐらつきがひどくなり、痛み、口臭が増します。このままの状態ですと歯が欠落する危険があります。

  • 歯周病の治療と予防に重要なプラークコントロール

    プラーク(歯垢)には、多くの歯周病菌が含まれています。
    食べかすなどが歯に付着した後、歯みがきで落としきれていない時に、プラークがどんどん増えていきます。
    歯周病予防には「プラークをどれだけ除去できるか?」「プラークを作らせないために何をすべきか?」を意識する、プラークコントロールという考え方の実践が重要です。

歯周病治療について

  • 歯周病治療の基本

    歯周病治療の基本は、まずプラークや歯石の除去です。軽度の歯周病であれば、その処置で歯ぐきの炎症が治まりやすくなります。しかし、歯周病が進行している場合は、歯周ポケットの奥にプラークや歯石が付着していることも多く、最終的に歯ぐきの一部を切開する外科処置が必要になる症例もあります

  • 当院の歯周病治療

    • ブラッシング指導

      毎日の歯みがきは、歯周病予防に重要です。しかし、患者様の独自のブラッシングでは、磨き残しでプラークを取り除けず、歯周病の原因になる恐れがあります。ブラッシング指導を通じて、ご自身に合った正しい歯みがきの方法を知り、ご自宅でも充実したセルフケアの実践と歯周病の予防をめざしましょう。

    • 歯のクリーニング(PMTC)

      プラークが石灰化すると石のように硬い歯石となり、歯に付着します。歯石の表面は無数の細かい穴が開いており、内部で細菌が繁殖する原因になります。ご自身の手や歯ブラシでは取り除けません。歯科専用の器具でのみ取り除けますので、当院にご相談ください。

    • ルートプレーニング

      ルートプレーニングとは歯ぐきよりも下、歯周ポケットの奥深くにある歯石やプラークをキュレットと呼ばれる専用機器でかき出し除去していく方法です。

    • フラップ手術

      基本的な歯周治療でも歯周病が改善しにくい場合は、フラップ手術を検討します。歯ぐきの一部を切開し、歯周ポケットの深い部分に溜まったプラークや歯石を除去し、症状の改善をめざず外科的処置です。

  • 歯周再生療法にも対応

    重度歯周病により、歯を支える骨が溶かされてしまった場合にその歯周組織を再生する治療にも対応しています。
    当院で扱うPRGF(Plasma Rich in Growth Factors)とは、世界的外科の権威、BTI Biotechnology Institute (Spain)社のDr.Eduardo Anituaにより研究開発された安全で画期的な骨、軟組織を再生させる技術です。
    歯周病以外でも、インプラントや抜歯後の骨・歯肉の再生にも利用しています。

歯周病予防について

  • 定期検診でお口の中をチェック

    歯周病の予防には予防の意識を高く持ち、歯科クリニックでの定期検診の受診が大切です。
    特に初期の歯周病は痛みや腫れなどの自覚症状がほとんどなく、気づいた頃にはすでに重症化しているケースも多くあるからです。
    患者様の症例にもよりますが、治療完了後は1~3か月に1回のペースで定期的なメインテナンスの受診をおすすめしております。また、ご家族の皆さまも積極的に治療を受けていただき、歯周病菌の家族内感染を防ぎましょう。当院では予防にも積極的に取り組んでおり、以下から詳細をご覧いただけます。

    お口のメインテナンス
  • スウェーデン式予防処置を導入しています

    当院には、特に予防技術が進歩しているスウェーデンの歯科治療「AFD」の臨床実践3か月コースを修了した医師が在籍しており、より患者様に合わせた予防プランのご案内と治療の提供が可能です。
    虫歯や歯周病の予防に加えて、長期的な視点から患者様のお口の健康をサポートしております。AFDについての詳細は、ELVAのサイトをご覧ください。

    ELVA

    エアフローを利用したGBTメンテナンス

    GBTはスウェーデン式のメインテナンスであり、従来と比較して新しいシステムで行われる予防治療です。スイス製の「プロフィラキシスマスター」という専用の機器を導入し、エアフローを用いて歯石や着色汚れ、頑固なバイオフィルムを徹底的に除去していきます。
    GBTメインテナンスは、以下のような流れで進めます。

    • 1.検査・評価
    • 2.染め出し
    • 3.情報提供
    • 4.全体へのエアフロー
    • 5.必要があればポケットが深い部位のエアフロー
    • 6.必要な部位のみ超音波器具の使用
    • 7.汚れが残存していないかの確認
    • 8.次回のご予約

    まずは患者様の歯の状態を検査で見極めながら、症例に適した方法で治療を行います。基本的にはエアフローを用いて手用器具を控え、歯と歯ぐきに優しいクリーニングを心がけております。

診療前の注意点

    • 歯科医院における処置だけではなく、セルフケアも必要となります。
    • セルフケアの難しい歯並びの場合は、別途処置が必要になるケースがあります。
    • 重度歯周病の場合は、治療期間が長期化する可能性があります。
    • 歯石や汚れを取り除く際、手用スケーラーによる処置だけでは完全な除去が難しいので、外科的処置が必要となる場合があります。